介護の言葉 ターミナル・ケア 終末期の医療・看護・介護のことで、終末期ケアとも呼ばれます。ターミナル・ケアにおいては、延命治療を中心とするのではなく、患者の人格を尊重したケア中心の、包括的な援助を行うことを目標とします。身体的苦痛や、死に直面する恐怖を緩和し、残された人生をその人らしく生きられるように援助します。ガン末期患者等のための医療施設として、ホスピスがつくられていますが、最近では在宅ホスピス・ケアも推進されています。 体位変換 傷病による長期臥床や寝たきりの状態では、自力では体位を変えられないことがあります。長時間同一の体位でいると、身体部分にかかる圧力で、筋肉疲労、血行障害が生じ、褥瘡になりやすい状態となります。また、関節を動かさないことで、関節周囲の皮膚や神経などの組織が弾力性を失い、拘縮をきたし、内臓諸器官の機能低下を招くことさえあります。これらを予防するため、介助者の助力によって、臥位の状態で身体全体の位置を変換させる必要があります。 ダウン症 常染色体異常による先天的障害。出現頻度は１０００人に１人の割合で、高年齢出産との関連が指摘されています。主な症状は、知的障害、特異な顔のつくり、手指の異常、筋緊張低下などがあり、心疾患を伴うことが多くあります。近年の医療技術の進歩により、出生前の検査によって染色体異常の診断が可能になりましたが、これは障害者（児）の存在を否定することにつながるとして社会的論議を呼んでいます。 多幸症 何も苦にせず、満足しきっている空虚な爽快気分が持続します。アルツハイマー型痴呆などの脳器質疾患やモルヒネ中毒でみられます。 短期入所生活介護（ショートステイ） 居宅において、介護を受けることが一時的に困難となった要介護者、要支援者に、特別養護老人ホームまたは老人短期入所施設に短期間入所していただくサービスです。入浴・排泄・食事等の介護その他の日常生活上の世話及び機能訓練を行います。 短期入所療養介護（ショートステイ） 居宅において介護を受けており、病状が安定期にある要介護者または要支援者に、介護老人保健施設・介護療養型医療施設・療養病床のある病院または診療所において、短期間入所していただくサービスです。看護・医学的管理下における介護・機能訓練等の必要な医療・日常生活上の世話を行います。 痴呆 一度獲得された知能が、脳の後天的障害により持続的に低下したり失われることで、日常生活に支障をきたすようになることをいいます。大きく、脳血管性痴呆とアルツハイマー型痴呆に区別されます。一般に、器質障害に基づき、記銘・記憶力、思考力、計算力、判断力、見当識の障害が見られ、知的、感情、行動の異常も伴ってみられることが多いです。記憶に関しては、短期記憶がまるごと失われることが多いですが、長期記憶については保持されていることが多いです。 通所介護 　介護が必要な高齢者が日中、介護施設で入浴、食事等ができるサービスを通所介護といいます。医療機関が運営するのをデイケア、福祉施設が運営するのをデイサービスといいます。このサービスの目的は、利用者の心身機能の維持や、生きがいづくり、介護している家族の負担軽減などです。 　サービス内容としては 介護（移動・排泄・見守り等）・入浴・食事・送迎・健康チェック・日常動作訓練・クラブ活動・相談・助言　などがあります。 　家族に対しては、通所介護利用中の利用者の様子が細かく報告され必要に応じて在宅における介護についての助言を行ったり、相談に乗ったりします。利用料金は、利用者の要介護度、利用時間、併設型か単独型か、また、痴呆性高齢者専用か否かによって決められています。 摘便 腸の蠕動運動が弱い、運動量の不足、偏食や薬の副作用などで便秘となり、自力での排便が困難な場合、直腸内に手指を入れて、硬い便を摘出することを言います。ゴム手袋にグリセリン、ワセリンなどの潤滑剤を付け、肛門や直腸を傷つけないように気をつけて便を取り出します。 特定疾患 介護保険の被保険者となるのは、６５歳以上の高齢者（第１号被保険者）、４０歳以上６５歳未満の第２号被保険者ですが、この第２号被保険者の要支援・要介護認定については、身体上・精神上の障害が加齢に伴って生じる心身の変化に起因する特定疾病による場合に限られます。特定疾病は、政令で１５種類が定められており、脳血管疾患、初老期痴呆、骨折を伴う骨粗しょう症、パーキンソン病、リウマチ等が含まれます。 特別養護老人ホーム 老人福祉法に規定する老人福祉施設の一種です。対象者は、身体上または精神上著しい障害があるために、常時介護を必要とし、かつ在宅生活が困難な方です。入浴、排泄、食事等の介護、相談及び援助、日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話等を行うことを目的とする施設です。