三重県の社会福祉士 事業者向けソフト開発

 三重県鈴鹿市の社会福祉士が携帯情報端末(PDA)を使って高齢者の身体機能や動作、サービスなどを高齢社宅で入力し、記録をグラフなどで利用者に掲示するコンピューターソフトを開発した。介護保険の事業者と利用者や家族の間でずれがあったサービス内容を確認しながら介護の「質」の向上を図るのが目的で、商品化に向けたデータ蓄積のため、全国の事業者に協力を呼びかけている。
 システムを発案したのは、三重県鈴鹿市の社会福祉士、伊藤美知さん(51)。夫と薬剤店を営むかたわら、ヘルパー養成事業のほか、訪問介護などに取り組んでいる。
 ソフトは県内のシステム業者とともに開発した。仕組みは、高齢社宅に派遣されたヘルパーがソフトを導入したPDAを携帯。契約したサービス内容に沿って高齢者の基本動作などについて「出来る」「出来ない」の項目をペンタッチで入力する。記録はインターネットを通じて事務所などに送られ、個別の記録に蓄積される。
 入力はサービス内容にもよるが、平均して30項目、1回あたりの入力は5分ほど。ヘルパーが気づいたことを文字で入力することもでき、入力画面はその場で印刷して利用者に示す。身体機能の状態や推移も掲示できるという。
 このシステムは経済産業省のIT活用型経営革新モデル事業で、伊藤さんは10月に東京ビッグサイトで開かれた中小企業総合展で展示、PRした。「入力や記述など机上での作業時間を短縮して心の余裕を生み、利用者本位の介護に生かしてほしい」と伊藤さんは話している。問い合わせは0593-82-8490へ。



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